2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンナノフォトニクス回路実現のための超低損失光NEMS技術の基礎研究
Project/Area Number |
21656087
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金森 義明 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10333858)
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Keywords | 光デバイス / 光回路 / シリコンフォトニクス |
Research Abstract |
Siナノフォトニクス回路にチューナブル機能やスイッチング機能は不可欠である。可動構造を有するMicro/Nano Electromechanical Systems(MEMS/NEMS)デバイスはこれらの機能を実現でき,実用化段階で顕在化する問題を今から持続的に挑戦的萌芽研究として行うことは非常に有意義である。そこで,表面粗さを原子レベルまで低減する技術により,Siナノフォトニクス回路に適した低損失光MEMS/NEMSデバイスを実現すること,および,極めて滑らかな曲面を持つ,低損失なSi細線導波路および微小共振器フィルタを実現することを,本研究の目的とする。 本年度は真空高温水素アニール処理の条件出しを行った。さらに,MEMSアクチュエータ(静電櫛歯アクチュエータ)とSi細線導波路を製作した。以下に,成果の要約を示す。 1.真空高温水素アニール処理の条件出し 幅400nmのSi細線導波路を製作し,導波路側壁の平坦化を施すための真空高温水素アニール処理の条件出しを行った。条件出しは,主に,温度(900~1300℃),圧力(<500Torr)および時間のパラメータに対して行い,試作したSi細線導波路の表面粗さが真空高温水素アニール処理により低減されたことを電子顕微鏡観察により確認した。 2.Si細線導波路とMEMSアクチュエータの製作 ナノフォトニクス回路と整合するアクチュエータを実現するために,超小型のアクチュエータを製作した。製作は,Si細線導波路やフォトニック結晶の製作に使われるSilicon on Insulator(SOI)基板を用い,Si細線導波路と同一基板上に一括製作した。ドライエッチング後の矩形導波路は側壁が荒れている。真空高温水素アニール処理により,側壁が平坦化された導波路や表面荒れが低減された楕円断面のSi細線導波路を製作することができた。
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