2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴画像診断装置MRIで励磁する癌温熱治療用小型共振回路の設計試作
Project/Area Number |
21656092
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
竹村 泰司 Yokohama National University, 工学研究院, 教授 (30251763)
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Keywords | 共振回路 / 磁気共鳴画像診断装置(MRI) / 癌温熱治療 |
Research Abstract |
癌の温熱治療(ハイパーサーミア)は、傷跡や副作用などの患者負担が軽減される治療方法として期待される。発熱インプラントとして提案する共振回路の構造は、コイルとコンデンサを閉接続しただけの単純な構造であり、小型化に適している。このコイルを鎖交するように交流磁界を外部から印加した場合、コイルには励磁磁界と同じ周波数の交流起電力が誘導され、交流電源を挿入したのと等価となる。この誘導起電力により回路には電流が流れ、コイルの残留抵抗が発熱する。今年度の実績は、 1.コイルとコンデンサを閉接続した6~12mmサイズの共振回路が、外部交流磁界により高い発熱を示すことを実験で検証した。実用化のためにはカテーテルで体内輸送を行うことから、1~2mm径まで小型化したい。このための、コイル構造の最適化や、回路パラメータの最適化を行った。 2.これまでの研究では共振回路に印加する磁界は交流連続波であった。しかしながら、磁気共鳴画像診断装置(MRI)から発生される磁界はシンク波が重畳したパルス(RFパルス)であるために、MRI実機での実験が不可欠である。病院に広く普及している1.5テスラ型のMRIを用いて、RFパルスがコイル断面に鎖交するように設置した場合のみ、共振回路インプラントの発熱が得られることとを確認するとともに、その発熱温度がMRI診断シーケンスで変化すること、さらにMRI内の設置位置により励磁周波数を調整して、発熱温度を制御できることなどの新たな知見を得た。
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