2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴画像診断装置MRIで励磁する癌温熱治療用小型共振回路の設計試作
Project/Area Number |
21656092
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
竹村 泰司 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (30251763)
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Keywords | 共振回路 / 磁気共鳴画像診断装置(MRI) / 癌温熱治療 |
Research Abstract |
癌の温熱治療(ハイパーサーミア)は、傷跡や副作用などの患者負担が軽減される治療方法として期待される。発熱インプラントとして提案する共振回路の構造は、コイルとコンデンサを閉接続しただけの単純な構造であり、小型化に適している。このコイルを鎖交するように交流磁界を外部から印加した場合、コイルには励磁磁界と同じ周波数の交流起電力が誘導され、交流電源を挿入したのと等価となる。この誘導起電力により回路には電流が流れ、コイルの残留抵抗が発熱する。今年度の研究実績は以下のとおりである。 これまでは6~12mmサイズの共振回路において、外部交流磁界中で高い発熱が得られることを実験で実証してきたが、小型化に着手した。カテーテル内径である数mm以下、さらに注射針に挿入可能な小型化に成功した場合には、低侵襲な体内輸送が可能となり大きなインパクトをもつと期待される。フェライトコアを用いることにより、交流磁界中での誘導起電力を増大させることを試みた。0.6mm径、10mm長のフェライトコアにより、誘導起電力増大が確認され、その実効的な比透磁率が8.5倍となることを明らかにした。このコアコイルとコンデンサを組み合わせた共振回路では、空芯コイルを用いた共振回路と比較して約50倍の発熱を示すことを見いだした。 コアの高周波特性は、磁気共鳴画像診断装置MRIのRF周波数64MHzでの共振回路の発熱を見積もるうえで重要となる、,そこでコアコイルの高周波領域でのインピーダンス特性とインダクタンス特性から共振回路のパラメータを最適化することにより、MRI励磁下で高い発熱を示す共振回路の設計が可能との知見を得た。
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