2009 Fiscal Year Annual Research Report
室温で動作する薄膜磁界センサによる脳磁界計測の試み
Project/Area Number |
21656104
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
薮上 信 Tohoku Gakuin University, 工学部, 准教授 (00302232)
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Keywords | 磁界センサ / 脳磁界計測 / 室温動作 |
Research Abstract |
磁界センサ単体では9×10^<-13>Tの磁界検出分解能を達成した。主として(a)センサ配置の差動化、(b)グラニュラー膜および高誘電体基板の導入により高感度化をはかった。 (a) センサの差動化:センサの差動化によりバックグランドノイズを1/2程度に低減することが可能である。ほぼ同一の性能を有する薄膜磁界センサおよびバイアスコイルを2個(1組)開発し、両者を並べて配置することで、放射性の電磁ノイズや地磁気の時間変動、磁性体の移動等による磁界ノイズ、キャリア信号内の伝導性ノイズ等を抑制した。本センサを単独で使用した場合に比べて約1/2にノイズレベルが低減できることを示した。本センサは液体ヘリウムのデュアが不要であることから、SQUIDに比較して容易にレファレンスセンサを配置でき、差動化のノイズ低減効果はより顕著であると考えられる。 (b) グラニュラー膜および高誘電体基板の適用:アモルファスCoNbZr薄膜(電気抵抗率:120μΩcm)を用いて磁界センサを構成してきたが、グラニュラー膜(高電気抵抗膜)を同一条件で適用すれば、現在の信号レベルを1.8倍程度に増加可能であることがLLG方程式(磁性膜の磁化状態を決める微分方程式)によるシミュレーションから得られた。またセラミック基板等の高誘電体基板をセンサ素子の伝送線路構造に適用することで、位相変化感度を大きくすることができることを示した。試作したセンサ素子により、最大で位相変化感度は600degree/Oeとこれまでの4倍程度の感度を得た。
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