2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656105
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
佐々木 実 Toyota Technological Institute, 工学部, 教授 (70282100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 慎也 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (70333888)
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Keywords | 赤外線センサ / 振動型 / 非線形バネ / 張力 / 薄膜トーションバー / 多結晶シリコン / 温度特性 |
Research Abstract |
非冷却で動作する高感度赤外線センサを、非線形性が強いねじりバネと組み合わされた振動子を利用して実現することが目的である。波長に対する広く一定な感度を持つ熱型センサの特徴と、小さな振動子のアレイ化し易い特長によって、赤外分光をハンディな小型システムで実現する基盤とする。一度の製作プロセスで知見が効率良く得られるようデバイス設計した。項目毎に述べる。 (1)張力増大:ねじりバネに働く張力が大きいほど、バネの非線形性および、センサ感度が大きくなる。金属誘起横方向結晶成長の技術も合わせて、引張応力を増加する条件を調べている。応力ゲージを製作し高い確度で定量評価した。 (2)Q値増大:共振ピークが鋭いほど周波数分解能が上がる。Q値(=振動エネルギ/損失≒共振周波数/単位質量当たりの粘性係数)を高くする方針となる。共振周波数が異なる振動子を設計した。第一の損失は空気抵抗である。真空チャンバ類を用意し実験を可能にした。第二は、変形部位での応力集中やフォノンが関係する。ねじりバネ根元形状を変えたものを4種類用意した。 (3)素子デザイン:振動子の熱変形し易さに関わる、ねじりバネ幅に対する振動子幅を複数用意した。また、検出電極を複数用意した。 (4)差動化:振動子をペアとし、片方にのみ赤外線照射して差動を取ると、SN比向上が図れる。2つを隣接したデザインを用意した。 センサ完成には至らなかったが、マスクは完成し、全製作プロセスのほぼ半分まで進んだ。張力増大に関する結果、ベースとなるアクチュエータや共振周波数変化の原理について発表等が進んだ。
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