2011 Fiscal Year Annual Research Report
機能性金属材料の複合による自己復元ダンパーの開発と無損傷構造の実現
Project/Area Number |
21656114
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 芳顯 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90144188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老澤 健正 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90332709)
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Keywords | 耐震構造 / 制震ダンパー / メンテナンスフリー / 自己復元特性 / 機能性材料 |
Research Abstract |
1.機能性金属材料の材料モデルの精緻化 本ダンパーに適用する機能性金属材料の1つである超弾性合金の材料構成則の高精度化を図った.前年度では繰り返し載荷の履歴による影響についての検討が不十分であったため,種々の載荷パターンによる材料試験を実施しその影響について検討を行った.さらに,材料試験の結果を踏まえ,数値解析のための材料構成則の検討を行った. 2.ダンパー部材試験体の製作と性能評価 ダンパー部材の模型試験体を製作し,繰り返し載荷実験装置(MTS社製)によりその特性を把握した.特にエネルギ吸収能,自己復元性能,耐劣化性能について調査し,これらの特性について本ダンパーに期待される性能が十分に満たされることを確認した.また,数値解析との比較検証についても行い,前年度までに構築した各機能性材料の材料構成則を用いたダンパー部材の数値モデルが実験挙動を精度良く再現することを確認した. 3.既設構造物へのダンパーの適用性の検討と構造レベルでの制震ダンパーの最適化 既設鋼構造物の耐震性能向上策として本ダンパー部材の適用性について検討を行った.既設構造物としてはS55年の設計基準に基づく2径間連続高架橋を対象とし,本ダンパーを適用することで現行基準を満たすシナリオを想定した.適用するダンパー諸元はダンパー重量最小化による最適化を行うことで決定した.その結果,現行の耐震基準を満足するとともに橋脚に生じる残留変位も非常に小さくなることを確認し,本ダンパーを適用することにより無損傷構造を実現できることが判明した.
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