2009 Fiscal Year Annual Research Report
硫化水素分解生物とメタ戦略を組合せた広域下水管網長寿命化技術開発
Project/Area Number |
21656115
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮本 文穂 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (10093535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 裕介 山口大学, 大学院・理工学研究科, 講師 (00396772)
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Keywords | 下水管網 / 硫化水素 / 劣化予測 / メタ戦略 / 長寿命化 / 環境データ / ヘルスモニタリング / 保全計画 |
Research Abstract |
本研究は、容易に日常点検が行えない下水管網に対して、主としてフィンランドの研究者、技術者(VTT国立研究所、他)などの研究協力者(海外)と連携して、硫化水素分解微生物の活用を実現するものである。これと地理情報システム(GIS)など様々な最新IT技術を組合せて、特定のマンホールをモニタリングポイントとし、下水管渠の損傷要因に係る環境データを計測し、メタ戦略による任意管網内の硫化水素ガス発生量を高精度で定量的に予測し、可能な限り早期(予防的)に任意のマンホールを通して効率良く噴霧(注入)する先駆的な広域下水管網の予防保全計画策定支援システムを構築するとともに山口県内の自治体において効果検証を試みるものである。 初年度の平成21年度は、硫化水素分解微生物産出、特性解明および高機能化と環境データ利用によるメタ戦略との統合を行った。すなわち、メタ戦略で選定されたマンホール内の硫化水素ガスなどの環境データを遠隔計測し、最適な時期に適量の硫化水素分解微生物を噴霧(注入)する手法の確立と生物の特性に配慮した大量産出の検討が重要となるため、以下の検討を具体的に行った: (1) 硫化水素分解微生物産出と特性解明および大量産出技術の調査・確立:フィンランドで活用が進んでいる、主に深海に生息する硫化水素分解微生物の高機能化と特性解明を連携して詳細に調査し、共有化を検討した。そして、大量産出に必要な技術的課題を克服するための種々の試みを、極限環境生物圏研究センターなどの国内他機関とも連携して実施した。 (2) メタ戦略によるヘルスモニタリングシステムからの環境データ利用技術の確立:日本およびフィンランドで開発した無線通信センサーなどの先端技術、ネットワーク技術を持ち寄り、センサーの最適配置方法および環境データなど種々の観測データからの必要項目の予測手法を確立した。また、時々刻々収集されるデータを自動的に選別しデータベース化する統合化ソフトを開発した。各種計測は、リアルタイムで行う必要があり、ネットワークを利用した独自システムの構築を行った。なお、重要データ情報流出を防ぐため、現在フィンランドで先行している高度なセキュリティ技術の導入を検討した。
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Research Products
(5 results)