2009 Fiscal Year Annual Research Report
震災直後の個人交通需要変動の事前評価に関する研究~経路依存性からのアプローチ~
Project/Area Number |
21656126
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
崔 宰英 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (80332550)
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Keywords | 地震 / 交通需要 / 交通需要変動 / パーソントリップ / 経路依存性 |
Research Abstract |
・研究目的:都市直下型震災が発生した直後、地震の影響を受けた(平常時の)個人交通需要の遷移プロセス(どのように反応し、どのように転移するのか、またそれを規定する諸要因はなにか)を、震災時の個人交通需要の変動特性の一つである「経路依存性」概念に着目し、都市部でのSP調査データから究明するとともに、その構造モデルを構築し、交通計画と防災計画における震災時の交通需要を事前に捉えられる新たな方法論を模索しようとするものである。 ・研究成果(H21):初年度は、本研究に耐えうる分析用データベース構築を目的とし、神戸市での地震発生想定時の交通行動に関するSP調査を行った。調査は、神戸市全域に居住する39,300世帯5歳以上家族全員に依頼し、インターネットを用いたWEB調査と紙媒体による調査で実施された。調査内容は、個人属性、調査当日の最初の外出と最後の帰宅などでのトリップ内容(交通手段、発着時刻、発着地など)、5つの居場所(出発地、出発地の近く、出発地と目的地の真中、目的地の近く、目的地)別想定レスポンストリップ内容、被害度・距離イメージ調査で構成される。最終的に、回収は2,996人(平成17年度国勢調査5歳以上人口約146万人の0.21%)が回収され、その後データクリーニングを行い次年度の分析用のデータベースを構築した。また、H21年度はSP調査とデータベース構築を目的としているため、学会などでの成果発表はない。一方、本調査は、本研究の着目点である「経路依存性」の観点から調査項目が設けられた貴重なSP調査のデータベースとして位置付けられる。
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