2011 Fiscal Year Annual Research Report
震災直後の個人交通需要変動の事前評価に関する研究?経路依存性からのアプローチ?
Project/Area Number |
21656126
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
崔 宰英 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80332550)
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Keywords | 地震 / 交通需要 / 交通需要変動 / パーソントリップ / 経路依存性 |
Research Abstract |
・研究目的:都市直下型震災が発生した直後、地震の影響を受けた(平常時の)個人交通需要の遷移プロセス(どのように反応し、どのように転移するのか、またそれを規定する諸要因はなにか)を、震災時の個人交通需要の変動特性の一つである「経路依存性」概念に着目し、都市部でのSP調査データから究明するとともに、その構造モデルを構築し、交通計画と防災計画における震災時の交通需要を事前に捉えられる新たな方法論を模索しようとするものである。 ・研究成果(H23):平成23年度では、前年度までのデータベースを基に、地震発生想定時の震災の被害程度に関するイメージ認知特性と、初期交通状況特性、経路依存性の概念を用いて、SPデータから地震発生時の個人交通需要を分析した。その結果、地震被害の認知イメージの違いによる避難レスポンスの相違や、個人属性、地震発生時の人々の居場所(出発地、出発地の近く、真ん中、目的地近く、目的地)等の違いによるレスポンストリップの相違、GISを用いたタイムリーな需要分析方法などが確認された。さらに、平成23年東日本大震災時の首都圏での人々の交通行動特性調査(RPデータ)を行い、SPデータの整合性やその違いも分析された。これらの分析結果の一部は、都市計画学会に査読論文として、平成24年4月25日発行の論文集への掲載が確定され、研究成果の一部の評価を得た。また、分析精度の改善や事例分析の強化など幾つかの研究課題は残されるものの、本研究の成果は、既存の地震発生時の交通需要の捉え方に関する問題を提議するとともに、より実態にあった防災政策での政策量(地震発生時の交通需要)分析に資することを期待する。
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Research Products
(2 results)