2011 Fiscal Year Annual Research Report
『反復効果』に着目した走行空間デザインに関する研究
Project/Area Number |
21656128
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
永見 豊 拓殖大学, 工学部, 准教授 (20384696)
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Keywords | パターンデザイン / シークエンス / 印象評価実験 |
Research Abstract |
本研究は、走行空間に反復効果を用いたデザインを行うことで、安全で快適な走行景観の創出に資することを目的としており、本年度は3年目にあたる。 本研究では、安全で快適な走行景観を意図的につくり出せるパターンデザインを行えるよう、動的視点での反復パターンと印象の関係を明らかにし、その知見を用いて道路空間への適用を検討している。 自動車専用道にあるトンネルは壁に囲まれた単調な空間であり、走行する運転手は圧迫感や飽きを感じるため、交通安全上の改善が求められている。一般的にある要素が同一の調子で繰り返されるとリズムが感じられ、逆に変化が少なくわずかに感じる程度であれば単調になるとされている。前年度までは、動的視点でのパターンと印象の関係において、スピード感と飽きについては研究を進めてきたが、リズム感については明らかにしていない。そこで、本研究では壁面のパターンを運転手のような動的視点で見た場合、どのようなパターンの時にリズム感を感じるかを印象評価実験により探り、リズム感を演出したトンネル壁面のパターンデザインを行った。 パターンとリズム感の関係は、繰り返される図形の間隔は一定だと煩わしさが少なく、図形の大きさと上下方向の位置に変化を与えるとリズムを感じることが明らかとなった。 この知見を用い、トンネル壁面にリズム感を演出しかつ煩わしさの少ないパターンとして、四角の図形を等間隔で配置し、明度や位置そして大きさが周期的に変化する案を提案した。 なお、本研究の成果は、芸術科学フォーラム2012(映像情報メディア学会)にてポスター発表を行い、「優秀ポスター賞」を受賞した。
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