2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代MBR-超臨界水ガス化法による都市下水処理場のイノベーション
Project/Area Number |
21656132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 和夫 The University of Tokyo, 環境安全研究センター, 教授 (60143393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布浦 鉄兵 東京大学, 環境安全研究センター, 准教授 (40444070)
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Keywords | 次世代MBR / メンブレンバイオリアクター / 超臨界水ガス化 / 下水汚泥 / in-situ触媒 |
Research Abstract |
本研究では、次世代メンブレンバイオリアクター(MBR)-超臨界水ガス化法の開発を目的として実験的検討を行った。超臨界水ガス化においては、実下水処理場の余剰汚泥を用いて実験を行い、圧力25MPa、温度300℃~600℃、汚泥濃度2wt%~10wt%の条件において汚泥のガス化特性を測定し、各種反応条件の影響を明らかにした。反応温度の上昇及び反応時間の増加に伴い発生ガス(H_2,CH_4,CO_2)量は増大したが、COのみ反応時間の増加に伴い水性ガスシフト反応によると思われる減少を示した。また、反応系にNa_2CO_3又はNaOHを添加することによりH_2生成量が格段に増加することを確認した。下水汚泥と生ごみの共ガス化処理の可能性についても検討を行ったところ、両者の混合により、単独処理時よりもガス化率が向上することを確認した。温度500℃、圧力25MPa、反応時間30分、下水汚泥・標準生ごみ混合重量比3:7(含水率90%)の条件において、反応系にNiとK_2CO_3を添加することによりガス化率90%を達成した。この結果を用い、下水汚泥ガス化プロセス及びMBRも含めたシステム全体のエネルギー収支の検討を行った。一方で、超臨界水中における無機塩の析出により生成するin-situ触媒の挙動について実験的検討を行った。チタン粒子の存在する超臨界水中における物質収支の測定により、K,Na,Ca,Mgの硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物塩の挙動を明らかにした。無機塩の種類によってはチタンが強い還元的作用を示すことが確認され、下水汚泥の超臨界水ガス化に利用することにより、ガス化率の向上や、窒素分のNH_3としての回収が図れる可能性を示した。またMBR-超臨界ガス化のシステムとしてエネルギー自立となる設計条件について、汚泥含水率を下げることやMBRの送風倍率を下げることが特に重要であることなどが判明し、今後の技術開発にむけ重要な指針を得ることができた。
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Research Products
(1 results)