2009 Fiscal Year Annual Research Report
超高濃度オゾン溶解酢酸溶液によるオンサイト膜洗浄技術
Project/Area Number |
21656133
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥田 哲士 Hiroshima University, 環境安全センター, 助教 (60343290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西嶋 渉 広島大学, 環境安全センター, 教授 (20243602)
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Keywords | オゾン / 下水 / 分離 / 膜 / 水処理 |
Research Abstract |
「研究の目的」で示した、超高濃度オゾン溶解酢酸溶液による高効率の膜洗浄技術の開発を、セラミック膜を用いたラボスケールの装置を設置して検討した。実験では実下水汚泥を対象としたMBR運転を行い、各種洗浄方法を膜濾過速度だけでなく、汚泥の溶解率なども含めて検討した。MBRの濾過運転は20分を基本とし、洗浄は「研究実施計画」で示した酢酸濃度、オゾン濃度、圧力などを変化させて、通常の有機膜では膜が破損する恐れのある条件での洗浄を行った。 その結果、膜の破損などは見られなかったが、オゾンを高濃度に溶解した酢酸を用いた場合やオゾン含有気泡を濾過時に共存させた系では、ファウラントの変性が膜表面で起こることに起因すると考えられるファウリングの促進が見られ、酸化条件は強ければよいというものではないことがわかった。ここでは可溶化が起こっていることもわかったが、汚泥が発泡して浮上しやすくなることなども明らかになった。これらの結果を踏まえ、ファウリングの進行が酢酸自体によるものか、高濃度オゾンによるものかを検討するなどし、場合によっては酢酸以外のオゾン溶媒や促進酸化処理法を組み合わせることで問題を解決し、適切な洗浄条件を模索することとした。 「研究実施計画」では過去の研究でMBRのファウリングの原因として報告のある物質(ファウラント)を対象とした分解試験を行うこととしていたが、これが分解可能であっても実下水汚泥中の他の成分のオゾンによる変化がファウリングに影響する可能性があり、先行して実汚泥を用いた検討を行い、上のように実際そのような影響で悪影響を及ぼすことがわかった。
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Research Products
(2 results)