2009 Fiscal Year Annual Research Report
蒸発潜熱を利用したアルミ建築構造部材の耐火性能付与
Project/Area Number |
21656140
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
新谷 眞人 Waseda University, 理工学術院, 教授 (30434319)
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Keywords | アルミニウム合金 / 耐火構造 / 沸騰水冷式 / 加熱実験 |
Research Abstract |
研究目的:アルミニウム合金の特徴を生かしたまま耐火性能を付与するために、部材内部に水を満たし、火災時には水の蒸発潜熱によって耐火性能を付与する「沸騰水冷式」を採用することとする。この「沸騰水冷式」がアルミニウム合金建築に耐火性能を付与する可能性の検討を研究目的とした。 研究方法:「沸騰水冷式」がアルミニウム合金建築に耐火性能を付与できるのか検討を行うために、部材温度を推定できるような数理モデルを作成した。この数理モデルが実現象と合うか確認をするために、アルミニウム合金材の加熱試験を行った。この結果を元に数理モデルを修正し、2スパン×3スパン、4層の住宅モデルに対し「沸騰水冷式」を適用し、解析によって「沸騰水冷式」がアルミニウム合金建築に耐火性能を付与できるのか、実現可能性があるかを検討した。 研究成果:アルミニウム合金面材の加熱実験により、沸騰における熱伝達率を算出するための加熱温度、部材温度、水温を測定した。また「沸騰水冷式」において部材から蒸発した水量が必要水量となり、その必要水量は建物上部に溜めておくことを想定しているため実現性を考えるとこの水量を正確に推定できる事が望まれる。そのため、加熱実験では蒸発により失われた水量を測定した。この実験から部材温度、蒸発した水量を解析によりおおよそ把握できることを確認した。この数理モデルを用いて2スパン×3スパン、4層の住宅モデルに対し「沸騰水冷式」を適用し、アルミニウム合金建築に対し「沸騰水冷式」が十分耐火性能を付与できる能力があることを確認した。
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Research Products
(2 results)