2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656145
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
徳尾野 徹 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80237065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 俊祐 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50182712)
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Keywords | 都市住宅 / 大阪型 / ストック活用 / インフィル / ミニ開発 / 低層高密立体居住空間 / コモンスペース / 地域コミュニティ |
Research Abstract |
大阪の特徴的な住宅市街地事例として、大阪都心および都心周辺地域より土地利用・住宅形式・街区構成等の性質が異なる居住市街地を抽出して、建築実態および居住生活、地域生活等の実態を把握するために、前年度から継続する実測調査に加えてアンケートおよびヒアリング調査を追加して行った。また、都市住宅モデルの提案につなげるために、若年層を中心とする大阪長屋や町屋を活用したシェア居住、屋上を活発に活用する密集市街地の三階建を主とした戸建住宅集積地、および主に男性単身高齢者が暮らす、開放的なコモンスペースを保有する西成区あいりん地区の簡易宿泊施設転用アパート(サポーティブハウス)も対象として、新たな都市生活の展開を探った。その結果、都市住宅モデル提案に向けた都市居住の今日的課題として以下の事項を抽出した。これらはコンパクトシティにおける居住地像にも通じるところである。 (1)基盤整備済み居住街区では、ストック活用(戸建、長屋、文化住宅等)とインフィル型都市住宅モデルとの併用による住環境整備が適切であり、基盤未整備街区では、脱画一的大規模面開発として、最小限面開発型の都市住宅モデル(ミニ開発モデル)による住環境整備が適切である。 (2)低層高密居住地においては、多様で精彩ある暮らしを可能とするために、水平・垂直方向につながる続き間型の柔軟な内部空間構成と、断片化された地上面の「庭」、中間階の「バルコニー」、一定の拡がりがある「屋上」といった外部空間とを連携して活用することが可能な、脱nLDK型の立体居住空間が求められる。 (3)孤立しがちな単身高齢層や若年層の住み手に対して地域コミュニティへの参加を促し、地域コミュニティに対しては高齢単身者へのサポート等を促す、交流のコアとなる内外に対して開放的なコモンスペース(居場所)を有する共同居住やシェア居住等、新たな住まい方への対応が求められる。
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Research Products
(9 results)