2009 Fiscal Year Annual Research Report
イミグレーション時代到来に備えたまちづくり空間情報の共有手法に関する研究
Project/Area Number |
21656147
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
後藤 春彦 Waseda University, 理工学術院, 教授 (70170462)
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Keywords | 外国人居住 / 空間情報共有 / 新宿区大久保地域 / 居住地選好パターン / 居住満足度評価 |
Research Abstract |
本年度は新宿区大久保地区を対象として、海外からの移住者の居住実態や居住地の変遷等の実態をヒアリング調査により把握した。新宿区大久保地域は東京都内でも外国人の居住割合が高く、外国人向けの商業店舗も集積していることから独自のコミュニティを形成している。 対象地域における様々な組織へのヒアリング調査により、当該地域での居住実態を把握するとともに、かつて当該地域に居住していた外国人を把握し、調査対象者を抽出した。そして、これらの調査対象者へのヒアリング調査を実施することで、海外移住者の居住地の変遷とその要因を把握した。その結果、海外からの移住者は、職住近接型、情報不足型、利便性重視型、心理的安定型に分類することができた。 職住近接型:大久保地域で商業を営み、近隣に居住するタイプである。飲食店や美容関連に従事する人が多い。 情報不足型:日本での生活に関する情報が不足している状態で移住したため、一時的に外国人が多く居住している新宿区大久保地域に居住するタイプ。当該地域には外国人が経営するゲストハウスも多く、多くの外国人が日本に移住するうえでの足がかりになっていることが分かった。 利便性重視型:情報不足型とは逆に、外国人の集積による生活の利便性の向上によって、当該地域で暮らすようになったタイプである。語学力が不足していても生活に大きな不便を感じないため、外国人居住者数の拡大につながっている。 他地域居住型:日本での生活に慣れ、当該地域を離れた所に居住しつつも、当該地域の商業施設を継続的に利用したり、地域組織に属することで、継続的に関係を持ち続けるタイプである。 以上の結果をもとに、次年度調査においては居住地選好パターンと居住満足度評価との相関関係について考察していく予定である。
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