2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656153
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
毛利 哲夫 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (20182157)
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Keywords | 変位型相変態 / 拡散型相変態 / クラスター変分法 / 連続変位クラスター変分法 / マルテンサイト変態 |
Research Abstract |
マルテンサイト変態に代表される変位型相変態は、規則不規則変態に代表される拡散型相変態と同じように極めて重要な相変態モードである。しかし、これまでのクラスター変分法の応用は、拡散型変態に集中しており、変位型変態の取り扱いはなされていない。本研究の目的は、変位型相変態にクラスター変分法を応用することである。初年度の本年度は、クラスター変分法を変位型相変態に適用すべく、連続変位クラスター変分法(CDCVW)に基づく定式化を行った。特に、モデル系の相平衡状態図を算出し、規則-不規則変態温度が原子の局所変位の効果によってどの程度まで減少するかの知見を得た。これに加えて、quasi-harmonic近似を用いて、格子の高温軟化の計算を試み、異なったサイズの原子が混合した場合、Bravais格子の対称性を保ったまま格子が軟化することによる自由エネルギーの減少量と、原子の局所変位による自由エネルギーの減少量を比較した。後者の効果が極めて大きいことを確認し、連続変位クラスター変分法による計算が有効であることを確認した。次に、マルテンサイト相の自由エネルギーを単純な現象論的手法で書き表し、これを用いたフェーズフィールド法の計算を行った。この計算では、マルテンサイト相の空間分布や温度変化による変態の進行状況の可視化が可能になった。又、正方歪を有するL10規則相の相安定性・相平衡の理論計算を行うために、c軸方向への原子変位を連続変位クラスター変分法の範疇で定式化を行った。
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