2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656155
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Research Institution | 財団法人名古屋産業科学研究所 |
Principal Investigator |
松井 正顯 財団法人 名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (90013531)
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Keywords | 超磁歪 / モルフォトロピック / 相境界 / 磁性混晶系 / 磁化容易軸 / ソフト磁性 / 希土類ラーベス相 / Ni_2MnGa |
Research Abstract |
昨年度までに、濃度相境界にはC_<44>剪断モードとC'(=(C_<11>-C_<12>)/2)剪断モード(C_<ij>は弾性率)の2種類のソフトモードがあり、一定の条件を満たせば超磁歪が発現することを明らかにした。また、鉄系希土類ラーベス相混晶系はC_<44>モードで超磁歪になるのに対して、Ni_2MnGaはC'モードで超磁歪になることと、Ni_2MnGaの磁気異方性の結晶項と超磁歪による磁歪項が逆符号で、絶対値が同程度の大きさであるために、見かけの磁気異方性が小さく、ソフト磁性になっていることを示した。平成23年度は引き続き以下のように研究した。 1.Ni_2MnGaと同様なC'モードのソフト化によって超磁歪になると考えられるFe_3(Al,Ga)系のFe_3Al、Fe_3Ga、Fe_3(Al,Ga)を作製し透磁率と磁歪を測定した。いずれも大きな正の超磁歪を示した。また、室温のFe_3Gaの結晶項を見積もりソフト磁性であることを証明した。 2.ターフェノールDの組成(希土類ラーベス相)の結晶項を室温で評価した。 3.希土類ラーベス相合金の(Sm_<1-x>Gd_xFe_2)を再度作製し(昨年度は酸化して失敗した)、透磁率と磁歪を測定した。巨大磁歪ではあるが超磁歪は発現しなかった 4.Ni_2MnGaの磁歪項から磁気弾性結合定数Q_<ij>を初めて評価した。 5.各相境界における透磁率と磁歪のシミュレーション計算を行ったところ、実験結果と一致した。 6.Ni_2MnGaのGaを、昨年度の結果をふまえて、新たにTi,V,Cr,Cu,Cdで置換した結果、Cdの置換でT_2が上昇し、磁歪量が大きくなり、超磁歪材料として実用上重要な結果が得られた。 7.超磁歪の発現条件を総括した。
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Research Products
(2 results)