2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656160
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
和田 智志 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (60240545)
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Keywords | 多層誘電体ナノキューブ / チタン酸バリウム / チタン酸ストロンチウム / エピタキシャル成長 / 巨大誘電特性 / 構造傾斜領域 / 人工超格子 / ソルボサーマル法 |
Research Abstract |
本年度、チタン酸バリウム(BT)とチタン酸ストロンチウム(ST)を交互に積層させた多層誘電体ナノキューブの作製に取り組んだ結果、BTナノキューブ上へのSTエピタキシャル膜の作製、及びSTナノキューブ上へのBTエピタキシャル膜の作製に成功した。従って、これらを交互に繰り返すことで、目的とする5層以上からなる多層誘電体ナノキューブの作製が可能となることが明らかとなった。まず、本研究ではTiアルコキシドをTi源に、BaやSr無水水酸化物を用い、水とエタノール混合溶媒中で高温高圧下での合成であるソルボサーマル法を用いることで、BTとSTの核生成・核成長が同時に起こる条件、核生成は起らず核成長のみが起る条件を検討した。そのため、反応温度、溶媒の混合比、出発原料であるBa/Ti比、Sr/Ti比を制御することで核生成は起らず核成長のみが起る最適な条件を見いだすことができた。そこで、その条件下で基板となるBT、およびSTナノキューブを投入し、合成を行った結果、それぞれBTナノキューブ上へのSTのエピタキシャル成長、STナノキューブ上へのBTのエピタキシャル成長をそれぞれ確認することができた。また、これらの2層からなる多層誘電体ナノキューブにおけるそれぞれの格子定数の温度依存性を測定した結果、別々に存在するBTとSTの混合粉では格子定数の温度依存性が異なる挙動を示すのに対し、多層誘電体ナノキューブでは温度の増加とともに同様な格子定数の変化を示し、界面歪みの導入による新たな特性が得られたことがわかった。
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