2010 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーX線マイクロビーム生成と金属ガラスバルク材における3次元歪分布評価
Project/Area Number |
21656166
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
落合 庄治郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (30111925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 浩司 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50214060)
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Keywords | 高エネルギーX線回折 / ひずみ分布 / バルク金属ガラス / 構造不均一性 / ZrCuAl |
Research Abstract |
本研究では高エネルギー微小X線回折によるひずみ分布と、より微小なナノーメゾ密度分布の相関への階層的検証をおこなう手法的検討を目的として、本年度は40μmビームによる高エネルギー走査X線回折散乱測定をおこなった。初期に提案したスリット系では目指す交差体積精度に関しては期待された信号を得られる予備的データの取得ができ、原理的にはスリット幅調整によって目的達成は可能である事が分かったものの、測定効率として本計画で目指すひずみ階層性の調査に必要な複数熱処理の試料の比較検討が現実的なビームタイムコストでは困難であることが予想されるデータであった。そこでまず、深さ方向の分解能についてはほぼ2次元的な応力状態を仮定できる試料を準備する事によってその影響を除き、2次元的なマクロ不均一ひずみ状態を外部負荷応力によって実現した試料のその場測定をおこなった。これは局所的な密度や弾性定数の分布が存在する場合には外部負荷に対する応答が異なると予想されるために、ミクロな応力不均一場の評価をおこなう基盤として安定したマクロひずみの負荷環境を実現するという観点からも重要であるからである。113keVの高エネルギーX線による走査X線回折により、外部負荷応力下のZrCuAl3元金属ガラスのひずみ分布の評価をおこなった結果、2mm角梁の内部に結晶化部分は存在せず、またそのポアソン比は超音波による共鳴法で評価される値とほぼ一致する値を得られた。そのひずみ量の評価より、今後のナノ構造評価に必要な安定なひずみ状態を制御できる事もわかった。
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