2009 Fiscal Year Annual Research Report
気相合成法を利用したポリマー基ナノ・マイクロコンポジットの新しい製法の研究
Project/Area Number |
21656167
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀田 篤 Keio University, 理工学部, 准教授 (30407142)
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Keywords | 複合材料 / 高分子構造・物性 / マイクロ・ナノコンポジット / プラズマ加工 / 蒸着法 |
Research Abstract |
本研究では蒸着法を応用した新規手法を用いることで高分子材料と硬質材料のコンポジットを作製した。この方法により溶融可能な高分子に対して非晶質炭素やシリカなどのサブミクロンスケールでの分散が可能となった。また、これまでの方法よりも容易にコンポジットが作製できることが考えられ、さらにプラズマ処理を施すことによって界面が親和性に優れることが予想される。 まず、高分子母材としては最も汎用的に使用されているポリエチレンを、分散材としては非晶質炭素を用いて実験を行った。その作製したコンポジットの評価を、構造評価、物性評価の観点から行った。コンポジットの構造評価を行ったところ、光学顕微鏡および動的光散乱法を用いることにより非晶質炭素のサブミクロンスケールでの分散が確認された。また、分散させる際のポリマー溶融体母材の粘度と分散させる非晶質炭素に関係性があることがわかった。これより、あらかじめ高分子母材の粘度を決めることで分散材の粒径をコントロールすることが可能となることがわかった。次に熱物性評価を行ったところ、非晶質炭素の分散によって結晶化温度が向上した。これは、分散した非晶質炭素が結晶核として作用していることが考えられる。また力学物性評価を行った結果、コンポジット材はもとの材料に比べて弾性率、破断ひずみともに増加する傾向がみられた。特に破断ひずみに関しては、微細スケールの粒子の分散によって著しく増加しており、高分子内部で非晶質炭素が擬似架橋のような役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(8 results)