2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656169
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
及川 勝成 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70356608)
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Keywords | 磁性形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / 磁気変態 |
Research Abstract |
Ni-Mn-Pb,Ni-Mn-BiおよびNi-Mn-Ge系合金を高周波溶解炉で溶解した.作製したインゴットから小片を切出して,850℃で1日熱処理を施した後,水中に焼き入れた.表面を鏡面研磨後,光学顕微鏡によりミクロ組織を観察したところ,Ni-Mn-PbおよびNi-Mn-Bi合金では,2相組織が観察され,その一方がマルテンサイト変態を示していることが確認された.SEM-EDXにより,組成を分析した結果,マルテンサイト変態している相にはPbおよびBiは殆ど固溶しておらず,NiMnのB2相がマルテンサイト変態したものと推察される.また,一方の相は,純Pb,Biに近い組成となっており,Ni-Mn-PbおよびNi-Mn-Bi系には,ホイスラー相が存在しないと推察された.一方,Ni-Mn-Geは単相でマルテンサイト組織を観察することができ,これは,ホイスラー相からマルテンサイト変態したものと予測される.Ge濃度が高い合金では,マルテンサイト組織を観察することができなかったことから,Geの添加はマルテンサイト変態温度を下げる効果があると考えられる.以上のことからNi-Mn-Ge系において,新しい磁性形状記憶合金を見いだせる可能性があることが明らかとなった.
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Research Products
(1 results)