2010 Fiscal Year Annual Research Report
高分子複合化技術を用いたテクスチャ生体用β型チタン合金の人工腱への応用
Project/Area Number |
21656171
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新家 光雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50126942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲井 正昭 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20431603)
堤 晴美 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50509023)
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Keywords | バイオマテリアル / チタン合金 / 医療用高分子 / シランカップリング剤 / 接着強度 / 表面処理 / 軟組織適合性 / 耐湿性 |
Research Abstract |
セラミック材料や高分子材料に比べ、金属材料は力学的特性に優位性がある。金属材料を人工腱や人工靭帯などの生体機能再建材料へ応用しようとする場合には、優れた力学的特性に加え、高い柔軟性や、硬組織および軟組織に対する適合性が求められる。そこで、本研究では、無毒生・非アレルギー元素のみで構成され、低弾性率を示す生体用チタン合金であるTi-29Nb-13Ta-4.6Zr合金(TNTZ)に注目し、特に同合金の軟組織適合性を改善するための、シランカップリング処理を利用したセグメント化ポリウレタン(SPU)コーティングを試みている。今年度は、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(γ-MPTS)、アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)およびメルカプトプロピルトリエトキシシラン(γ-MPS))の3種類のシランカップリング剤を用い、シランカップリング処理を施したTNTZとSPUとの界面の接着強度のシランカップリング剤の種類依存性を調査した。その結果、TNTZとSPUの界面接着強度は、いずれのシランカップリング剤を用いた場合にも、シランカップリング処理を施さない場合に比べて上昇した。また、同界面接着強度の上昇量は、シランカップリング剤の種類に依らず、ほぼ一様であった。しかし、同界面接着強度は、超純水中に浸漬するとシランカップリング剤の種類に依存するようになり、APSあるいはγ-MPSを用いた場合には顕著な低下が認められたが、γ-MPTSを用いた場合には低下しないことが明らかとなった。
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