2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656176
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堀田 善治 Kyushu University, 工学研究院, 教授 (20173643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木須 隆暢 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (00221911)
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Keywords | 高圧ねじり変形加工 / 巨大ひずみ加工 / 臨界電流密度 / 遷移温度 / MgB_2 / 格子ひずみ |
Research Abstract |
本研究では、超高圧力下で巨大ひずみ加工ができる高圧ねじり変形法(High Pressure Torsion : HPT)を用い、MgB_2超伝導材に大量の格子ひずみを導入し、結晶粒界の直接接合率を上げて、臨界電流密度の向上を図ることを目標としている。 純度99%のMgB_2粉末を用いた。MgB_2は硬く直接HPT加工を行うと、HPTの金型が傷ついたり、割れたりする可能性があるため直径10mmの真鍮(Cu60%-Zn40%)製のケースにMgB_2粉末0.098gを詰めてHPT加工を行った。加工は3GPaと6GPaの圧力のもとで行い、それぞれの圧力で0、1、30回転した。加工した試料はTEMで組織観察し、SQUIDで臨界電流特性を計測した。 高磁場中では違いが少ないが、低磁場中では回転数が多いほど臨界電流密度が下がる結果になった。これは、TEM観察によると30回転加工しても平均粒径に違いは見られなかったが、回転数が多い方が硬度が増加したことから転位密度(ひずみ)が増加したことによると考えられる。臨界電流密度や硬度が回転数の違いにより変化していることから、HPTプロセスによりMgB_2に加工が進んでいることが分かる。圧力を高くしてHPT加工した方が臨界電流密度が高くなった。これは高い圧力によってMgB_2の充填率が上がり直接接合率が高くなったためである。なお、高圧でひずみを付与しても、遷移温度(38.5K)に変化はなかった。本研究では真鍮という比較的軟らかいケースを用いたが、MgB_2と同程度あるいはそれ以上の硬度を持った材料のケースで加工をすれば、充填密度があがり、臨界電流密度を向上させることができるものと考えられる。
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Research Products
(3 results)