2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656176
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堀田 善治 九州大学, 工学研究院, 教授 (20173643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木須 隆暢 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (00221911)
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Keywords | 高圧ねじり変形加工 / 巨大ひずみ加工 / 臨界電流密度 / 遷移温度 / MgB_2 / 格子ひずみ |
Research Abstract |
本研究では、超高圧力下で巨大ひずみ加工ができる高圧ねじり変形法(High Pressure Torsion : HPT)を用い、MgB_2超伝導材に大量の格子ひずみを導入し、結晶粒界の直接接合率を上げて、臨界電流密度の向上を図ることを目標としている。 1.HPT加工時の印加圧力を高くすると、低磁場、高磁場に関わらずJcが増加しているのが確認された。これは高圧で圧縮することにより充填率が上昇し、粒間の結合度が向上したためと考えられる。 2.一方、回転数を増加させるまたは硬いステンレスケースを用いると硬度が向上することから充填率の向上が予想されるが、Jcは全体的に減少した。これらはMgB_2試料中に導入されたひずみの影響と考えられる。回転数を増加させるまたは硬いケースを用いた時、硬度の上昇だけではなくXRD解析から半値幅の増加が確認された。ひずみの影響により電流の流れが妨げられたことにより、Jcが減少したと考えられる。 3.次に、熱処理をすることで低磁場中でのJcは低下するが、高磁場になると磁場によるJcの減少が緩やかになった。これはピン止め点によるJc向上と一致する。ただTEM観察の結果から結晶子サイズの低下は見られなかったことから、結晶粒界以外の別の因子がピン止めに寄与していると思われる。TEM観察の結果、熱処理した試料は粒子の周りに微細なMgO粒子が生成されているのが確認されたことから、これらがピン止め点として作用していると考えられる。MgO量の増加は粒内の結合度は劣化させるが、ナノサイズのMgOを分散させることによりピン止め強化につながり、高磁場中でのJc低下の緩和につながったと考えられる。
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Research Products
(6 results)