2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656179
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Research Institution | Toyota Central R&D Lab., Inc. |
Principal Investigator |
倉本 繁 Toyota Central R&D Lab., Inc., 先端研究センター フロンティア研究部門 倉本研究グループ, リーダ・主任研究員 (10292773)
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Keywords | 理想強度 / 弾性異常 / 強加工 / 変態 |
Research Abstract |
理想強度を有する高強度チタン合金(合金組成:Ti-36%Nb-2%Ta-3%Zr-0.3%O(mass%)、強冷間加工材)と同様の高強度化が、他の合金系においても可能かどうか検討するため、高強度チタン合金と類似の弾性異常現象(C_<11>-C_<12>→0)を有するMn-Cu系合金に、圧縮ねじり試験による強加工を施すことにより、高強度化の可否を検討した。動的粘弾性(DMA)試験の結果、Mn-(15-20)at%Cu合金は室温付近でfcc相→fct相の変態を有し、変態温度近傍ではヤング率が大きく変化することがわかった。Cu添加量の増加により、fcc相の安定性が高くなり、変態温度は低下する。一方、ヤング率の値は、Cu添加量の増加に伴って単調に変化せず、17%Cu添加の場合に低い値となり、弾性異常を有することを示唆した。それらの合金について、圧縮応力2GPa、回転速度1rpmにて10回転までの種々の変形量となるよう圧縮ねじり試験を実施した。機械的特性の変化に及ぼす弾性異常の影響を評価したところ、弾性異常合金は2回転までの圧縮ねじりにより、顕著に強化し、その後の変形ではほとんど強度が変化せず、高強度チタン合金と同様の傾向を示した。弾性異常を有するMn-17%Cu-5%Fe-2%C合金の圧縮ねじり試験(2GPa、10回転)材の引張試験の結果、引張強さは1511GPa、伸びは5.6%であった。強加工後に、焼鈍せずに高強度かつ十分な延性を示したことは、高強度チタン合金とも共通する性質であり、Mn-Cu系においても理想強度レベルの変形が生じている可能性を示唆する結果を得た。
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Research Products
(2 results)