2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656190
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古君 修 Kyushu University, 工学研究院, 教授 (60432853)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒牧 正俊 九州大学, 工学研究院, 助教 (50175973)
|
Keywords | 剛性 / 延性破壊 / 脆性破壊 / 伸線加工 / ナノ材料 / TiB_2 / 高強度 |
Research Abstract |
16%Cr鋼を基本組成とし、初期平均粉末粒径4μmのTiB_2を40vol.%添加して繰り返し集束伸線法により相当ひずみ5.5の材料を作製した(集束伸線回数3)。TiB_2は最初の伸線加工時のみ添加したので、最終試料のTiB_2は、17vol.%であった。ヤング率を共振法で測定した結果、253GPaであることが明らかとなり、研究目的のひとつである高剛性化を達成した。この結果は、複合則で計算した理論値と一致した。また、3回集束伸線後には、TiB_2はCr原子と複合析出物を形成すること、透過型電子顕微鏡観察によると析出物径は約200nmまで微細化するとの新たな知見を得た。なお、引張方向と垂直な断面組織は約300nmまで微細化していた。現在、平行断面組織の解析中である。 一方、引張試験により、強度と伸び特性を測定した結果、0.2%耐力1165MPa、引張強さ1216MPa、全伸び1.0%であった。引張試験後は延性破面を呈し、脆性破壊を回避できることが明らかとなった。この脆性破壊の回避は、析出物および結晶粒の微細化に起因する。 強度特性は十分であったが、今後の工業製品化を念頭におくと、延性破壊したとしても加工性である伸びをさらに向上する必要がある。来年度以後、Ni添加などによる伸び向上の研究を継続する予定である。 ※平成22年度金属学会九州支部講演大会発表予定
|