2009 Fiscal Year Annual Research Report
局所溶融化・マイクロメルトグロース法による規則性単結晶多結晶材料の創製
Project/Area Number |
21656196
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮原 広郁 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (90264069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 一人 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (50404017)
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Keywords | 結晶成長 / 過冷度 / 界面エネルギー / 太陽光発電 / 一方向凝固 / 多結晶シリコン |
Research Abstract |
溶融状態から構造材料を加工成形する液相成長法は特に複雑形状の大型製品の製造に用いられており、一方、気相成長法は気相/固相界面エントロピー差を利用して原子レベルでの材料設計が可能である。近年の金属製品の小型化に伴いミクロサイズの構造及び機能材料の結晶成長法の確立が望まれている背景から、本研究はで種々の合金を溶融状態から任意の過冷度で凝固させ粒子状に整形すると共に、結晶方位を制御してマイクロサイズで積層する技術を見出すことを目的とした。 まず、低融点合金用装置として高周波加熱炉内に黒鉛製の液滴滴下装置を作製・設置し、低融点であるスズ合金及びアルミニウム合金を用いて滴下実験を行った。いずれの合金もArガス雰囲気で融点より50K高い温度で保持して滴下を行った。振動の程度により、形成される液滴のサイズが滴下装置穴径の5~10倍に分散したことから、均一な粒子を得るには装置外部からの影響を制御する必要があることが示された。 続いて、高融点合金の予備実験として太陽電池素材で最も高い生産量を有する多結晶シリコンについて結晶成長に要する過冷度について調査した。種々の方位を有する種結晶が設置されたシリコン融液をSiC抵抗電気炉で2.5~40ミクロン/秒の速度で一方向凝固させた。ノンファセット成長する一般の金属とは異なり、ファセット成長するシリコンはあらかじめ設置した種結晶の結晶成長方位に依存して核生成過冷度が異なり、いずれの凝固速度においても、<111>、<110>及び双晶を含む<211>方位の順序で過冷度が小さくなった。このことより液滴滴下実験においても双晶を含む<110>や<211>方位が集合した結晶が得られることが予想された。
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