2009 Fiscal Year Annual Research Report
土壌微生物相を好転制御する環境指向型カプセル化微生物製剤の創製
Project/Area Number |
21656200
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
愛甲 涼子 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 教務職員 (50244265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 昌弘 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (50315397)
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Keywords | 土壌改良 / 有用微生物 / 乳酸菌 / 環境分解ポリマー / マイクロカプセル |
Research Abstract |
農薬は、便利さ故に農作物に対する過用や誤用で土壌環境を悪化させている。持続可能な農業を行うためには、自然の理にかなった新しい農業技術が必要である。そこで、農薬に変わる土壌改良材として注目を集めているのが微生物資材を使った土壌環境の微生物相コントロールである。土壌中で微生物の働きが最大限に発揮できる環境を作るために外部環境に影響されずに微生物が活動できる場が必要である。本研究では効果的な土壌改良法として微生物資材中の有用微生物を生分解性のマイクロカプセルに内包し、農薬に代わる新しい土壌改良資材として土壌環境の改善を試みることを最大の目的とする。有用微生物(乳酸菌・酵母菌)を多核構造、マトリックス型構造をもつ100μm程度のマイクロカプセルを調製するため、(S/O)/Wエマルションの液滴合一と液中乾燥法を組み合わせた手法を採用した。例えば、有機相25mlにカプセル壁材である生分解性高分子PCL(ポリεカプロラクトン)5wt%を、その低沸点高分子良溶媒としてジクロロメタン92%中に分散させ、PCLを溶解後、エマルション安定剤としてソルビタンモノオレエート3wt%を加えた。これに対し内水相12.5mlに有用微生物(乳酸菌、酵母菌)を0.2g-wetと微生物保護材としてアルギン酸ナトリウム1wt%を加えたものと混合撹拌することでS/Oエマルションを形成した。次にこのエマルションを外水相600mlに対し、蒸留水69wt%、分散安定剤としてポリビニルアルコール1wt%と第三リン酸カルシウム30wt%を添加したものと撹拌することで(S/O)/Wエマルションを形成した。次に常圧(25℃)から700hPa(30℃)に減圧・昇温し、ジクロロメタンを除去した。その後、0.5M塩酸で第三リン酸カルシウムを除去し、有用微生物内包マイクロカプセルを回収するという調製手順を行った。上述の有用微生物内包マイクロカプセルを調製し、特性評価を定量・定性的に調査研究を行った。
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