2009 Fiscal Year Annual Research Report
BDF由来廃液から石油化学関連有用化学物質合成を可能とする新規酸化反応場の構築
Project/Area Number |
21656201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆夫 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (20165715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多湖 輝興 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20304743)
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Keywords | バイオディーゼル / 粗製グリセリン / 酸化鉄触媒 / 酸化鉄固溶体触 / ジルコニア / チタニア / プロピレン / ケトン類 |
Research Abstract |
本研究の目標は、BDFの廃棄物である"アルカリ性グリセリン水溶液"をアセトン、プロピレン、アクロレイン等の石油関連化学物質に変換可能な触媒の開発とその触媒の反応機構の解明である。本年度は、酸化鉄が他の金属酸化物と容易に固溶体を生成するという特性を利用し、酸化鉄とジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、セリア(CeO2)、チタニア(TiO2)との複合触媒の調製とその反応特性の評価を実施した。その結果、酸化鉄との固溶体形成のし易さとしては、ジルコニア=アルミナ>チタニア>セリア、という序列を見出した。特に、共沈法で調製したジルコニア-酸化鉄触媒、アルミナ-酸化鉄触媒では、ジルコニアとアルミナはほぼ任意の割合で固溶することを明らかにした。一方、チタニアの場合では、チタニア自身の凝集が著しいため、固溶体を形成させるためにはゾルゲル法を採用する必要があることが分かった。セリアに関しては、10wt%以上担持した場合、セリアに帰属されるX線回折ピークが観察されたことから、最も酸化鉄に固溶し難いことが明らかとなった。これらの触媒を用い、グリセリン水溶液からの有用化学物質合成実験を実施した。その結果、ジルコニアとチタニアでは酸化鉄のみの場合と比較し、ケトン類やプロピレンなどの有用化学物質収率が向上した。アルミナ-酸化鉄触媒では、触媒の表面積の向上が著しく、その結果触媒活性が向上することを見出した。セリアの場合、グリセリンの重合反応が促進されるため、本反応系には適さないことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
舟井啓、多湖輝興、増田隆夫
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Journal Title
『次世代バイオエタノール燃料製造の最新技術と事業化』高含水バイオマス廃棄物からの石油化学関連物質生成触媒プロセス(フロンティア出版)
Pages: 249-254
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