2010 Fiscal Year Annual Research Report
BDF由来廃液から石油化学関連有用化学物質合成を可能とする新規酸化反応場の構築
Project/Area Number |
21656201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆夫 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20165715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多湖 輝興 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20304743)
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Keywords | バイオディーゼル / 粗製グリセリン / 酸化鉄触媒 / 酸化鉄固溶体触 / ジルコニア / チタニア / プロピレン / ケトン類 |
Research Abstract |
本研究の目標は、BDFの廃棄物である"アルカリ性グリセリン水溶液"をアセトン、プロピレン、アクロレイン等の石油関連化学物質に変換可能な触媒の開発とその触媒の反応機構の解明である。昨年度は酸化鉄系触媒の最適組成とその調製法を確立した。そこで、本年度はBDF製造時に副生する実際の粗グリセリンの反応を350℃で常圧流通式反応器を用いて実施した。最初に試薬のグリセリンを原料として反応を実施した結果、アリルアルコール→プロピレンの反応(反応1)とアルデヒド→カルボン酸→ケトンの反応(反応2)の二種類が進行した。これら有用成分を合計70%炭素収率(アルデヒドを除くと60wt%弱)で得ることに成功した。さらに、後者の反応はアルカリ金属を触媒に担持することで抑制されるが、前者の反応は抑制されないことを見出し、それが、前者の(反応1)の選択性の向上に繋がることを予測した。一方、粗グリセリンにはカリウムを5wt%、メタノールと有機酸を合わせて30wt%、ガスクロで同定が難しい物質を20wt%以上含まれ、グリセリンは40wt%ほどである。予備実験から期待されたように、粗グリセリンに含まれるカリウムにより(反応2)が抑制され、(反応1)が優先的に進行することを実証した。開発した酸化鉄系触媒の活性種は格子酸素である。反応により消費する格子酸素を水分解により生成する活性酸素によって補充する。そのため、触媒の劣化の主な要因は格子酸素の過度の消費となる。この現象は触媒中の酸化鉄のヘマタイトがマグネタイトに変化することで観測される。分析した結果、反応後の触媒はヘマタイト相を維持しており、粗グリセリンに不純物として含まれる存在するメタノールと有機酸によって触媒が劣化しないことを見出した。
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Research Products
(22 results)