2009 Fiscal Year Annual Research Report
気液混相型マイクロフォーム電解質の開拓と低環境負荷めっきプロセスへの応用
Project/Area Number |
21656204
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
臼井 博明 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (60176667)
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Keywords | 電気めっき / 薄膜形成 / フォーム / 泡沫 / ナノ材料 / ピンホール / 低環境負荷 |
Research Abstract |
電気めっきは工業的に必要不可欠な製膜技術であるが、めっき液が環境汚染の原因となること、皮膜がピンホール欠陥を持ちやすいことなど、いくつかの課題がある。そこで本研究では、従来のめっき液に替え、多量の気体を含むフォーム状電解質中でめっきを行うことにより、これらの問題の解決を試みた。 標準的なニッケルめっき液であるワット浴に微量の界面活性剤を添加し、メッシュフィルターを通して窒素ガスを混入することで、微細なフォーム状の電解質を形成した。フォームを構成する泡沫の粒径は、フォームに対して剪断応力を加えることによって調整した。また、製膜中にフォームを流動させるために、フォーム全体を攬拌する、あるいは基板自体を移動させるなどの手法を用いた。 本手法によって得られた皮膜は、表面平坦性に優れ、ピンホールが極めて少ない特徴を持つことが示された。特にフォームを構成する気泡粒径を微細化するとともに、フォーム状電解質が流動することによって表面平坦性が向上し、ピンホール密度が低減することが見出された。これに伴い、塩水試験に対する耐腐食性も改善された。さらにX線回折測定及びビッカース硬度測定結果では、フォーム状電解質中で形成した皮膜は通常の電気めっき皮膜に比較して結晶粒径が小さく、その結果として皮膜の硬度が高いことが示された。特にフォーム状電解質を用いることにより、実質的に必要なめっき液の量を1/5程度に削減できることから、従来の手法に比較して低環境負荷かつ省資源プロセスで高性能皮膜が形成できる点で、新たな製膜技術として実用的にも有意義なものと期待される。
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Research Products
(3 results)