2009 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体中でのテンプレート電析法を活用する機能性ナノシリンダーアレイの創製
Project/Area Number |
21656205
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
跡部 真人 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (90291351)
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Keywords | テンプレート電析 / ナノシリンダー / 電界放射材料 / 異方導電性膜 / 水素吸蔵デバイス |
Research Abstract |
高拡散性・高浸透性でありながら液体並の溶解力も兼備する超臨界流体をテンプレート合成のメディアに用いればナノ細孔などを有する複雑な基板に対しても細孔内部への効率的な充填物の輸送を行うことが出来、結果として非常に精密なナノ構造の転写と高いアスペクト比を有するナノ構造物の形成が予想される。このような着想に基づき、本研究は特異なメディア効果を有する超臨界流体中でのテンプレート電析法を利用した超精密なナノ構造の転写技術を構築しようとするものである。 テンプレート電析法によってさまざまな機能特性をもつさまざまな種類のナノシリンダーアレイの形成が考えられるが、電界放射材料、異方導電性膜や水素吸蔵デバイスなどへの応用に焦点を絞り、充填物に銅、パラジウムといった金属材料やポリピロール、ポリチオフェンといった導電性高分子材料を対象にして、まずこれら電析物の構造および緻密性に対する超臨界流体のメディア効果について現象論および機構論の立場にたって系統的に検討する。ついで、これら材料の導電性、水素吸蔵能などの機能特性との一般的関連を解明して、各種デバイスへの応用を実施するための工学技術としての確立を目指す。これが本研究計画の戦略的基盤である。その方法論的原理は予備研究の成果に基づくものであり、本年度は下記の具体的研究計画に従って研究を進めた。 1.超臨界フルオロホルム中でのテンプレート電解重合を、モノマーとしてピロール類、チオフェン類ならびにアニリン類について検討した。また、超臨界フルオロホルムに可溶な銅錯体を用い銅のテンプレート電析による銅ナノシリンダーの作製に成功した。 2.超臨界フルオロホルム以外の電解メディアに利用可能な超臨界流体を模索するとともに、発現効果と超臨界流体の種類を整理し、超臨界流体利用のための一般的指針を確立した。 3.超臨界流体は温度・圧力によって媒体物性が変化することから、これら諸条件のナノシリンダーの形質や物性への影響を明確にし、超臨界流体利用による精密なナノ転写技術のための基盤的指針を確立した。
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[Journal Article]2009
Author(s)
跡部真人, 逢坂哲弥, 加納健司, 桑畑進, 立間徹, 門間聰之
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Journal Title
Q&Aで理解する電気化学測定法(みみずく書房)
Pages: 1-208
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