2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規銀ナノ粒子触媒を用いた環境調和型酸化反応系の開発
Project/Area Number |
21656208
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金田 清臣 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 特任教授 (90029554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水垣 共雄 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (50314406)
満留 敬人 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00437360)
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Keywords | ハイドロタルサイト / ハイドロキシアパタイト / 銀 / 触煤 / ナノ粒子 / 酸化反応 |
Research Abstract |
本研究では、酸化剤として水や酸素(空気)を用いた液相酸化反応において、銀ナノ粒子の新しい触媒作用を見出し、クリーンかつ高効率な新規不均一系酸化触媒プロセスを開発することを目的としている。特に、安全・安価な水を用いた反応系は、水が酸素源としても重要であるとともに、反応溶媒としても安全であり、有害な有機溶媒を代替することができる点が優れている。 これまでにハイドロキシアパタイトやハイドロタルサイト上に、サイズ制御された銀ナノ粒子を調製することに成功している。液相でのアルコール脱酸素反応を応用することで、新たにエポキシドからの脱酸素化反応によるオレフィン生成に高活性を示すことを見出した。これまで、エポキシドの脱酸素化反応は、効率的な触媒系がなく未開拓の官能基変換法であったが、効率的かつ高選択的にオレフィンへの変換に成功した。 本反応では、酸素アクセプターとなるアルコールの脱水素で生成する銀ヒドリド種を利用しており、副生成物は、2-プロパノールを用いた場合にはアセトンと水のみである。さらに、本触媒は、回収・再使用が可能な触媒であることがわかった。さらに、ヒドリド種を鍵とするニトロ基の選択的還元反応などに応用が可能である。 これらの知見は、本研究で目的とする銀ナノ粒子の新規触媒機能の開拓と新規化学プロセスへの展開において、既存の反応系を一新する可能性が極めて高い。 さらに、当初目標の一つであった、シクロヘキセンへの酸素官能基導入に展開している。
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