2009 Fiscal Year Annual Research Report
超分子化学/遺伝子工学融合による人工アロステリック酵素の開発
Project/Area Number |
21656213
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 猛央 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (30272363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長棟 輝行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
山口 哲志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80398106)
平川 秀彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (90451799)
伊藤 大知 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50447421)
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Keywords | アロステリック効果 / P450 / クラウンエーテル / NIPAM / コンジュゲイション / 分子認識 / 超分子化学 / 遺伝子工学 |
Research Abstract |
生体内に存在するアロステリック酵素は、分子シグナルにより活性を厳密に制御され、生体恒常性を保つ鍵分子である。本研究ではこの機能に創発され、特定イオンを認識して膨潤・収縮するイオン認識応答ポリマー(分子認識ユニット)と、酸化還元酵素であるシトクロムP450(酵素ユニット)のコンジュゲイションを実現し、イオンシグナルにより自身の触媒活性を自律的に制御する人工アロステリック酵素を創製する。 H21年度は、遺伝子工学的手法により、Pseudomonas putida由来P450(P450cam)に存在する7つのシステイン残基のうち、P450camの外表面に露出するCys13、58、334をセリシ残基に置換した上に、さらに基質ポケット入口付近に存在するAsp27をシステイシに置き換えた変異体の作製に成功し、野生体と同等の酵素活性を維持していることを確認した。また連鎖移動剤を用いたラジカル重合により末端にビニルスルホン基を導入したイオン認識ポリマーを合成し、ゲルクロマトグラフィーによる分子量が異なるフラクションへの分取に成功した。さらに、P450camと分子量を制御したイオン認識ポリマーを混合し、導入したシステインCys27とイオン認識ポリマー末端のマイケル付加反応により、コンジュゲイション体の作製を行った。TOF-MS測定によってコンジュゲイションの存在を確認した。今後反応条件の最適化により、高収率でコンジュゲイションできるように改善を行っていくとともに、人工アロステリック酵素としての機能を検証していく。
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Research Products
(7 results)