2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656217
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片倉 啓雄 Osaka University, 工学研究科, 准教授 (50263207)
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Keywords | 酵母 / 乳酸菌 / 共培養 / 接着 / DnaK / マンナン / Lactococcus lactis |
Research Abstract |
Lc.lactis IL1403株を等張液中で溶菌酵素処理して遠心分離した上清を、酵母由来インベルターゼを固定したカラムを用いてアフィニティ精製した。二次元電気泳動で分離したタンパク質をトリプシン処理してペプチドフィンガープリントによって解析したところ、分子シャペロンDnaK、Glycelaldehyde-3-phosphate dehydrogenaseなど16種類のタンパク質を同定した。これらのタンパク質は全て、本来は細胞内に局在するタンパク質であり、何らかの機構で細胞壁画分に輸送されたと考えられる。このうちDnaKを大腸菌で発現させてHis-tag精製し、解析したところ、DnaKは酵母、乳酸菌の何れにも結合し、その結合はpH4付近で最も強かった。また、酵母と乳酸菌がほぼ同数ある時、1mg/ml以上のDnaKを添加すると、これらを凝集させた。以上のことから、DnaKをはじめとする同定されたタンパク質の多くは乳酸菌を酵母に接着させる機能をもつことが明らかとなった。 乳酸菌は酵母と共存すると、細胞外多糖の生産を活発化するなどの応答をする。この応答は酵母表層のマンナンとの結合が引き金になっているはずで、どのような機構によってシグナルが伝達されるのかを知る必要がある。そこで乳酸を添加して通常よりもpHを下げた培地において、Lactobacillus casei ATCC334を単培養したものを対照とし、酵母マンナンを添加した場合、熱殺菌した酵母を添加した場合について、mRNAを調製し、DNAマイクロアレイによる解析を行っている。
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