2009 Fiscal Year Annual Research Report
閉ループ同定アプローチによる船舶操縦性能推定に関する研究
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21656226
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶原 宏之 Kyushu University, 工学研究院, 教授 (30114862)
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Keywords | 操縦性能 / Z試験 / 潮流 / 閉ループ同定 / DPS / PID制御 / 推力配分 / 画像センサ |
Research Abstract |
本研究は,方位制御装置をもつ船舶の外乱中操縦性能データが与えられるとき,相当する平水中の操縦性能を推定することを目的として,閉ループ同定に基づく推定手法を開発することを目的とする。そのために,準備段階としての今年度は,対象とする模型船の製作と画像処理による模型船の6自由度運動計測システムの開発を行った。外乱(波・風・潮流)としての影響の大きい潮流を室内実験で模擬するために,任意方向に定速移動をさせることが必要であること,また近年のDPS研究の重要性の高まりを受けて,アジマススラスタ2基とバウスラスタ1基を装備した,作業船の1/33スケール模型(グラウプナー社製チトネリ,全長970mm,全幅320mm,喫水140mm)を選定した。このDPSを設計するためには,推力配分問題の定式化が必要であるが,本研究ではアジマススラスタの首振り動作を抑制するために,首振り角に制約を課した上で推力最小化を行う問題として定式化し,推力配分行列の特異値分解に基づく求解法を確立した。次に,6自由度運動計測のための画像センサの開発においては,画像処理ライブラリHALCONを用いた。まず,船体に4点マーカをもつ平板を乗せ,あらかじめキャリブレーションでカメラパラメータを推定しておく。その上で,4点マーカの位置を実時間計算し,これから船体重心(x,y,z)と姿勢(ロール,ピッチ,ヨー)を求めるものを開発した。処理時間は約500msを要した。
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