2010 Fiscal Year Annual Research Report
高速電子によるヌル点を用いないプラズマ電流立ち上げの研究
Project/Area Number |
21656234
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花田 和明 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30222219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 真 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (00325482)
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Keywords | ヌル点 / 高速電子 / プラズマ電流立ち上げ / 閉磁気面形成 |
Research Abstract |
平成22年度の実験により高周波のみでの25kAのプラズマ電流達成と数十秒秒間のプラズマ電流維持が実現できた。また、ダイバータコイルとセンタースタックコイルとの併用によりダイバータ配位の形成に成功した。閉磁気面形成に関しては4~5kAのプラズマに大半径外側から電子の軌道を遮るような遮蔽板を設置した可動プローブを挿入し高速電子による電子電流が流れ込む状況と流れ込まない状況での浮遊電位の差の測定を行った。高速電子が流れ込む状況では浮遊電位がバルクの電子温度から想定される電位(~-10V)よりも十分にマイナス側(-300~-400V)に振れることが閉磁気面形成時に観測された。プローブの先端は回転するように製作されているため、高速電子の流れ込む方向を測定したところほとんど水平面方向であることがわかった。このような方向から飛来する電子の軌道を計算したところ電子サイクロトロン共鳴の第2高調波共鳴層近傍で生成された捕捉電子の可能性が高く、このような捕捉電子は歳差運動とトロイダル磁場の勾配により有意な電流を流すことが期待できることがわかった。この捕捉電子は閉磁気面の低磁場側の開磁気面で捕捉されており、ヌル点のない開磁気面で電流が高速電子により駆動される可能性を証明することができた。この電流がヌル点のない電流立ち上げに寄与するためには高速電子の担う電流量を測定する必要がある。浮遊電位は電子電流とイオン電流がバランスする電位なので2次電子放出や熱電子放出、大きな負の電位形成に伴うシースの拡大を考慮した計算モデルを構築し、測定結果の解析を行うことで高速電子の担う電流量の絶対値が算出できると考えている。
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Research Products
(13 results)