2009 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起発光特性を持つ高分子膜による二次元放射線分布測定
Project/Area Number |
21656236
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永田 晋二 Tohoku University, 金属材料研究所, 准教授 (40208012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 文 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90302215)
四竃 樹男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30196365)
山本 春也 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (70354941)
趙 明 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50512224)
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Keywords | 高分子膜 / 光誘起発光 / 2次元分布 / 放射線 / パルスレーザー / イオンビーム / ガンマ線 |
Research Abstract |
21年度はポリエチレンテレフタラート(PET)のイオンビーム誘起発光その場測定およびイオン照射後の紫外レーザー誘起発光測定を行い、PET膜のイオン照射、紫外線照射にともなう発光特性変化を調べるとともに紫外-可視-赤外吸光分析により構造変化との関連について検討した。タンデム型加速器を用いたMeVエネルギー領域でのプロトンビーム照射下で発光強度は指数関数的に減少するが、この減少曲線は入射プロトンの電子的エネルギー付与の関数としてあらわすことができることを明らかにした。イオンビームを用いた水素および酸素濃度解析では、プロトン照射による発光の減少と膜中の酸素濃度の減少に強い相関がある結果が得られており、このことは発光中心の損傷が酸素の放出と関連していることを示唆している。また、青色領域では減少のみが観察されるが、500-700nmの領域には微弱ではあるがあらたな発光があらわられることを見出した。赤外吸光分析によれば、新たな発光中心はダイヤモンドへのイオン照射によって得られるものと類似しており、炭素の2重結合に関連していると予想される。 ガンマ線については原子力開発機構のコバルト60線源を用いて最大6x107Rまでの照射を行った試料を作成し、現在これらの試料のレーザー誘起発光強度測定を行い、ガンマ線照射量対発光強度の検量線を作成中である。さらに22年度に向け、試料を自動制御式X-Yステージに置き、2次元の誘起発光測定を行う装置を構築中である。
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Research Products
(4 results)