2010 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起発光特性を持つ高分子膜による二次元放射線分布測定
Project/Area Number |
21656236
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永田 晋二 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (40208012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四竃 樹男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30196365)
趙 明 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50512224)
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Keywords | 高分子膜 / 光誘起発光 / 2次元分布 / 放射線 / パルスレーザー / イオンビーム / ガンマ線 / 寿命測定 |
Research Abstract |
22年度はポリエチレンテレフタラート(PET)に加えポリエチレンナフタレート(PEN)のイオンビーム誘起発光その場測定およびイオン照射後の紫外レーザー誘起発光測定を行い、これら2種類の高分子膜のイオン照射、紫外線照射による発光特性変化、紫外-可視-赤外吸光分析により構造変化との関連について検討するとともに、コバルト60線源を用いたガンマ線照射による発光特性変化について調べた。さらに放射線照射を施した高分子膜を自動制御式X-Yステージにのせ、紫外レーザービームを試料表面で走査させ2次元放射線量の測定を行った。 PET膜の誘起発光に比べ、PEN膜はやや波長が長く450nmを中心としたピークとして現れ、強度は約10倍であった。MeVエネルギー領域でのプロトンおよびヘリウム照射下で発光強度は両方の膜とも指数関数的に減少する。この減少曲線を入射イオンのエネルギー付与の関数として解析すると、核的衝突、電子励起による損傷過程は二つの膜で顕著な違いは見られない。一方、同じエネルギー付与に対してプロトンとヘリウムとの比較から、エネルギー付与の大きいイオン飛跡のコア部分では、損傷率が飽和してしまうことがわかった。また、PENの損傷断面積はPETにくらべ約半分であり、すなわちPEN膜は放射線誘起発光強度が大きく、かつ、放射線損傷が小さいということができる。吸光分析の結果からは、発光強度の減少はおもにパラ位置の切断によるものと予想される。イオンビームを用いた水素および酸素濃度解析によれば、発光中心の損傷が酸素の放出を伴っており、水素、炭素の放出はその十分の一程度であった。266nmの紫外レーザー照射誘起発光挙動は、PET膜とPEN膜で大きく異なる。50J/cm^2までの照射量で比較すると、PEN膜では紫外レーザーの照射とともに発光強度が減少するのに対し、PET膜では紫外線照射とともに発光強度が増加する結果が得られた。
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Research Products
(3 results)