2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656239
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原 一広 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (00180993)
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Keywords | 海中ウラン / ゲル / 回収 / 吸着 / アミドキシム基 / アクリルアミド / アクリルニトリル / ラジカル共重合 |
Research Abstract |
高分子ゲルを用いた新たな海水溶存ウラン吸着材の開発を目的として、アクリルアミドゲルにアミドキシム基を導入し、アミドキシム基によってバナジウムが吸着されたのを確認した。詳細は以下の通りである。 アクリルアミドモノマー(AAm)とシアノ基を有するアクリロニトリル(AN)とでラジカル共重合を行う事により、高分子網目にシアノ基側鎖を有するハイドロゲルを作製した。この高分子ゲルをヒドロキシルアミン溶液に浸漬することでシアノ基をアミドキシム基へと変化させた。その後、ウランの代わりにバナジウムを用いてアミドキシム基の吸着能を確認した。この結果から、アクリルアミドゲルにアミドキシム基を導入した吸着材が作製できることが実証された。AAm : ANと溶媒であるジメチルスルホキシド(DMSO)水溶液中のDMS0濃度は試料のゲル化に大きな影響を及ぼしていた。AN比の割合の高いゲルではDMSO濃度が低い方がゲル化し易かったが、AN比の割合が高いゲルではDMSO濃度が高い方がゲル化し易かった。これは溶媒が反応に影響を与えているためで、AN比によってDMSO濃度の最適値があった。 ゲル化した試料を洗浄したところ,AN比の高いゲルほど収縮した.AN比の高いゲルは疎水性のシアノ基を多く有し脱水したためである。ゲル化試料をアミドキシム化処理し、吸着材を作製した。アミドキシム化によってAN比の高いゲルほど大きく膨潤した。これはアミドキシム化により親水性のアミドキシム基が導入されたためである。 吸着材作製後、V_2O_5 5ppm相当を水に溶解させたバナジウム水溶液に浸漬しバナジタム元素を吸着させた後、吸着後のバナジウム濃度を原子吸光法で測定しバナジウム吸着量を算出したところ,AN比の高いゲルほど吸着量が多く、この結果からもシアノ基がアミドキシム基へ転換されていることが確認できた。
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