2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21656245
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 健 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 教授 (50115953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比野 光宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (20270910)
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Keywords | エネルギー全般 / 燃料電池 / 固体酸化物形燃料電池 / 一室式燃料電池 / 固体イオニクス / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
単セルを直列に接続するスタックでは、最も大きな抵抗の単セルによって電流の大きさが制限されるため、スタック化して評価するために、単セル間の性能のバラつきを抑えることが必要であった。本年度は、ただ複数の単セル間のバラつき抑えるのではなく、より高出力の単セルを目指すことにした。そこで、電解質抵抗が大きな内部抵抗の原因となるこれまでの電解質支持型セルから、電解質層を薄膜化できるアノード支持型セルとすることで出力特性が向上できると期待した。作製したアノード支持型セルにおいては、電解質にBaLaIn_2O_5.5(BLI)、アノードにはニッケルとCe_?0.8Sm_0.2O_1.9(SDC)との混合物、カソードにはLa_0.6Sr_0.4Mn_0.6Fe_0.4O_3-δ(LSMF)を使用した。上記ニッケルサーメットアノードを作製・焼き付けする際の還元処理から電解質を守るために必要となる保護層については、電解質支持型セルと同様にSDCとした。セル断面の走査型電子顕微鏡観察から、Ni-SDC、SDC、BLI、LSMFの各層は短絡せず積層していることが確認され、保護層となるSDCは十分に緻密であり、電解質の分解を防ぐことが期待された。発電時のガス雰囲気として、メタンの部分酸化反応の化学量論比(メタン/酸素比=2/1)のときに最高のセル性能を示し、アノードが触媒として十分に機能していることが示された。こうして得られたアノード支持型セルは、これまでのBLIを使用した電解質支持セルを大きく越える最大電力密度を示した。また、電解質抵抗の低減による発電性能向上とともに、燃料極の体積が増大することで、発電に必要な燃料の部分酸化が促進されたことによる開回路電圧の上昇も、最大電力密度の向上に寄与した。
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Research Products
(4 results)