2011 Fiscal Year Annual Research Report
温度分布を持たない蒸留装置の創出による化学工場の省エネルギー化技術の開発
Project/Area Number |
21656246
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
外輪 健一郎 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00336009)
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Keywords | 蒸留 / 省エネルギー / プロセスシミュレーション / 最適化 |
Research Abstract |
最終年度に当たる本年は、提案する圧力駆動型蒸留システムの原理に基づいて実際に多段の蒸留が可能であることを示し、また、多成分系への展開技術について検討を行った。 昨年度までに一段の蒸留にあたるデバイスを試作し、良好な分離性能を示すことが明らかとなっているのでこれを複数個作製し、気液が交流多段接触させるように接続して実験装置を構築した。各段における液面が一定となり、また圧力が指定の値となるように各段からの気液の抜き出し流量を調節するような電子制御系を構築し、全体のマスバランスを保った。対象として水-メタノール系を取り上げ、段数を2として検討を行ったところ、気液平衡に沿った分離が可能であることが確認された。方で、各段の内部の温度が所定の温度よりも低い値を示す場合があることが認められた。これは各段における伝熱性能が十分でないことが原因となっていることが判明した。そこで熱伝導度の大きい銅を素材としたデバイスを改めて作製し実験に用いたとごろ、各段の温度の制御がより容易となり、意図した分離が可能であることが明らかとなった。段数を3とした実験を試みた場合においても同様の結果が得られた。いずれの場合においても、提案する蒸留方式によって、多段濃縮が可能であることが確認された。 さらに、理論計算によって3成分分離への適用可能性を検討した。いわゆるプリカラム型のトポロジーを採用した場合についてシミュレーシ弓ンによる検討を行ったところ、3成分の同時分離が可能であることが示された。
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Research Products
(3 results)