2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロモーター領域の部位特異的siRNAによる発現強化の分子機構の研究
Project/Area Number |
21657012
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
児玉 浩明 Chiba University, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (70302536)
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Keywords | RNAサイレンシング / プロモーター / メチル化 / 導入遺伝子 / 形質転換植物 |
Research Abstract |
高等植物において、プロモーター領域にDNAメチル化を誘導すると、当該部位のクロマチンがヘテロクロマチン状態へと変化し、下流遺伝子の発現が抑制されると、一般的にはされている。本申請者は、導入遺伝子に起因するRNAサイレンシングの研究の過程で、発現が生じているプロモーター領域に、RNA干渉の方法を用いてDNAメチル化を誘導した。すると、予想に反して、下流遺伝子の発現がより強くなる事例を見いだした。本研究では、このプロモーター領域のDNAメチル化による発現強化の分子機構について明らかにすることで、これまでには知られていない発現調節機構を明らかにする。RNAサイレンシングを起こしている形質転換において、導入遺伝子のプロモーター領域を標的とするRNAiコンストラクトを導入したところ、200塩基の長さのプロモーター領域が下流遺伝子の転写を弱めることが明らかになった。興味深いことに、この結果、RNAサイレンシングは消失し、導入遺伝子の過剰発現が成立することが明らかになった。バイサルファイト法によってDNAのメチル化状態を調べたところ、標的プロモーター配列は高度にメチル化されていることが明らかになった。さらにヘテロクロマチンの指標であるH3K9ジメチル化も検出された。しかし、このプロモーターからは転写が持続しており、RNAサイレンシングが消失したことで過剰発現したものと推定された。これらの結果は植物の分子育種を行う多くの研究者にとって非常に重要な知見を与えたものと考えられる。
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Research Products
(4 results)