2009 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の超高感度定量法の開発とその定量から理解する動物行動の変容
Project/Area Number |
21657022
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
伊藤 悦朗 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 教授 (80203131)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 亮太 徳島文理大学, 香川薬学部, 講師 (40334338)
小林 卓 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (50325867)
|
Keywords | 行動学 / 神経化学 / 生物物理学 / 脳・神経 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本申請者はヨーロッパモノアラガイを実験動物として用い,その味覚嫌悪学習機構を研究している.その機構の鍵を握るキー・ニューロン(Cerebral Giant Cell : CGC)をすでに同定しており,本研究ではこの神経細胞に着目した.これまで本申請者らが得てきた結果から,長期記憶形成時に,このキー・ニューロン内では,cAMPの上昇→Aキナーゼの活性化→転写因子cAMP Response Element Binding Protein(CREB1とCREB2)の活性化が起こっていることが知られている.しかし,誰も単一ニューロン内でのCREB1やCREB2の量的変化を正確に示した者はいない.そこで本研究の目的は,このCREB1とCREB2のタンパク質としての個数の変化を,キー・ニューロン1個内で定量できる方法を提示することである.今年度はまずはELISA法の至適pHと酵素サイクリング法の至適pHなど,条件検討を行った.反応効率を比較しながら,反応系全体としての至適pHならびに至適反応温度を決定し,また,基質や酵素の量比も決めて行った.さらには,作成済みのCREB1とCREB2タンパク質の抗体に対して,酵素であるアルカリ・ホスファターゼ(ALP)を標識した.抗体と酵素との架橋剤や架橋方法についていくつかを試してみて,もっとも効率よく反応できる系を作り上げた.その上で,ELISA法と酵素サイクリング法とを組み合せて,互いの反応系が影響を及ぼし合う可能性を検討した.検討の結果,基質の新規合成を試みることが必要であることがわかり,現時点ではすでに最良のものを得ることができている.
|