2009 Fiscal Year Annual Research Report
パターン基材を用いた細胞膜曲率の制御と活性化Gタンパク質のイメージング
Project/Area Number |
21657037
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角南 寛 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 博士研究員 (50374723)
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Keywords | BARドメイン / 細胞接着 / 細胞形態 / パターン基材 / 再生医工学 / シグナル伝達 / 低分子量Gタンパク質 / 三次元培養基材 |
Research Abstract |
本研究課題はパターン基材を用いて単一細胞内に異なる曲率のカーブ調製し、これらカーブに起因する膜タンパク質の局在化やシグナル伝達を観察する。単一細胞内で評価することにより、細胞の個体差や細胞周期の差異を考慮した再現性の高い膜機能の解明が期待される。まず、単一細胞内に5種類のカーブを調製するために、単一細胞の接着範囲に5種類の溝が繰り返し現れるパターンをフォトリソグラフィー法によって作製した。FE-SEM観察により、パターンの溝の幅は2μm、4μm、6μm、8μm、14μm、溝の深さは9μmであることが確認された。このパターン基材上でMEF細胞やHEK293A細胞、NIH3T3細胞などの培養を行い、これらの細胞がそれぞれの溝に異なる太さの突起を伸長していることを観察した。また、この基材上で24h培養したMEF細胞のpFAKおよびVinculinを抗体染色して蛍光観察したところ、これらタンパク質がパターンのエッジ部分に沿って密に発現していることが分かった。更に、RhoAの活性化をイメージングできるプローブ(pRaichu1298X)を用いて、細胞がこの基材上で接着・伸展していくときのRhoAの活性化を観察した。その結果、生細胞が伸展していく方向のエッジ部分でRhoAが強く活性化している様子が観察された。この部分を共焦点レーザー走査型顕微鏡で三次元的に観察したところ、強く活性化しているエッジ部分ほど溝部分に大きく落ち込んでいる様子が観察された。パターン基材によって三次元的に変形させられた細胞膜が、細胞の接着と伸展にシグナルを与えている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)