2010 Fiscal Year Annual Research Report
RNA検出用デグラトンプローブの開発とRNA制御機構の解析
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21657043
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
入江 賢児 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90232628)
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Keywords | RNA結合タンパク質 / 出芽酵母 / Khd1 / mRNA / デグラトンプローブ / Pボディ |
Research Abstract |
本研究では、『出芽酵母におけるRNA局在と局所的翻訳に働くRNP複合体Locasome』および『動物細胞のストレスに応答したRNAの局在、安定性、翻訳の制御に働くRNP複合体Stress Granule』の系におけるRNA局在・RNA安定性・翻訳の時間的・空間的な制御系を解析し、その基本原理を明らかにする。そのために必要な、(1)生きた細胞内でRNAを高感度に可視化・定量化する『RNA検出用デグラトンプローブ』、(2)2種類のRNAを同時に可視化する『2カラーRNAイメージング』、(3)RNA局在をタンパク質合成と同時に可視化する『RNA-タンパク質デュアルイメージング』、(4)時空間的なタンパク質合成を可視化・定量化する『翻訳モニター系』を開発し、RNAレベルの制御について生きた細胞での高度なイメージング解析、定量化解析を実現させる。明らかにした基本原理をもとに、遺伝子発現をRNAレベルで制御する技術の確立を目指す。 本年度の研究では、出芽酵母RNA結合タンパク質KhdlpによるMTL1 mRNA安定性制御に関わるシス領域の限定とMTL1 mRNA安定性制御に関わるトランス因子の同定を行った。その結果、MTL1(532-1032)領域は、khd1変異株においてmRNAを不安定化させるのに必要かつ十分な配列であること、khd1変異株におけるMTL1 mRNAの不安定化には、5'→3'方向のmRNA分解酵素Xrnlpとキャップ構造除去酵素コファクターDcplpが関与することを明らかにした(Mauchi et aL.,2010)。また、Khd1をin vivoでイメージングを行い、Khd1がRNA分解に関わるプロセッシングボディ(Pボディ)に局在することを明らかにした。
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