2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA脱メチル化に関与する新規遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
21657044
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大石 一人 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (60273702)
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Keywords | DNAメチル化 / エピジェネティクス / DNA脱メチル化酵素 / 遺伝子発現 / Ramos細胞 |
Research Abstract |
Ramos細胞(Burkittリンパ腫細胞株)において、GPI(glycosyl phosphatidyl inositol)アンカー型タンパクであるCD59の細胞表面での発現状態は、GPI合成酵素の1つであるPIG-M遺伝子のプロモーターのメチル化状態による遺伝子発現の有無により規定されている。ES細胞が、このメチル化されたPIG-M遺伝子プロモーターを脱メチル化する機能を有しているかどうかを細胞融合による相補性を指標に検討した。ES細胞は、PIG-M遺伝子のマウスホモログを発現しているため、最初にPig-mノックアウトES細胞を相同組換えにより樹立した。このノックアウト細胞と、PIG-M遺伝子がメチル化されCD59が発現していないRamos細胞(mt517細胞)と細胞融合したあとCD59の発現を調べたところ、一部の細胞でCD59の発現が回復していたことから、ES細胞はメチル化した遺伝子のリプログラミング活性を有していることが示唆された。そこでPig-mノックアウトES細胞からmRNAを抽出し、SV40ウイルスの複製起点を持つベクターでcDNAライブラリーを作製した。このcDNAライブラリーを、SV40 large T抗原発現プラスミドと共にmt517細胞にトランスフェクションしたあとでCD59の発現が回復した細胞をソーティングにより回収した。回収した細胞から、ライブラリー由来のプラスミドをHirt法により回収して大腸菌で増幅しmt517細胞に再導入することを繰り返し、CD59の発現回復を誘導できる遺伝子を濃縮した。しかしながら、このスクリーニングでは抗体と非特異的に結合するFcレセプター遺伝子が濃縮されてしまったので、CD59抗体のF(ab')2フラグメントを作製し再スクリーニングを行っている。
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