2011 Fiscal Year Annual Research Report
動物ゲノム複製開始点におけるRNAの新規機能の探求
Project/Area Number |
21657045
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
和賀 祥 日本女子大学, 理学部, 教授 (60222402)
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Keywords | DNA複製 / ORC / 非コードRNA |
Research Abstract |
これまでの解析から、ORCサブユニットのうちORC1がRNA結合活性を有することが分かった。そこで本年度は、ORC1の中のRNA結合ドメインの同定を目指した。そのために先ず、様々なORC1領域をGST融合タンパク質の形で大腸菌で発現させ、グルタチオンビーズを用いて精製した。このように調製した組換えタンパク質についてGU-rich RNAをプローブとしたゲルシフトアッセイを行いRNA結合活性を調べた。その結果、これまでに知られていたAAA+ドメインやBAHドメインとは異なる領域にRNA結合ドメインがあることが分かった。このドメインのもつRNA結合活性の特異性を検討した結果、ORCIサブユニット全長やORC複合体が示す特徴とほぼ同様な特徴を示したことから、この領域がORCのRNA結合に直接関与するドメインであると結論づけた。 ORC1のRNA結合ドメイン内のアミノ酸の中で、RNAとの結合に直接関わると推測される塩基性アミノ酸残基に着目し、そのいくつかをアラニンに置換した変異タンパクの作製を進めた。その一部のタンパク質については大腸菌での発現および精製は完了したが、まだその活性の検討は行なっていない。 ORC1全長あるいはRNA結合ドメインをヒト培養細胞で発現させて、内在性のORC結合性RNAの単離を目指した研究も進めた。しかし、まだ具体的なRNAの単離までには至っていない。一方、ORC結合性RNAの候補と推測されるY-RNAとの結合を調べる実験の準備を進め、様々なY-RNAのin vitroでの合成などを行った。このように、精製ORCとY-RNAとの結合をゲルシフトアッセイによって調べていく準備をほぼ完了した。
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Research Products
(4 results)