2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21657047
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鳥居 征司 Gunma University, 生体調節研究所, 助教 (40312904)
|
Keywords | インスリン / 分泌顆粒 / オートファジー |
Research Abstract |
神経や内分泌細胞では、必要時に開口放出を引き起こすための分泌物質貯蔵器官として、神経伝達物質を含むシナプス小胞やペプチドホルモンなどを含む分泌顆粒が発達し、細胞内に充満している。これら分泌小胞の出芽、内容物(蛋白質)の選別、輸送、分泌部位へのドッキング、分泌刺激シグナルの認知、膜融合などは、膜上に局在する蛋白質により制御されると考えられる。申請者は、内分泌細胞の分泌顆粒膜に局在する蛋白質の機能解析から、分泌小胞の開口放出システムの一端を明らかにした。本研究では、神経内分泌細胞にみられる調節性分泌全体を理解するために、ホルモンの自己分解機構を解析する。 本年は、膵β細胞におけるインスリンの細胞内分解過程を詳しく調べた。パルス・チェイス実験やインスリン含量測定などの結果、低グルコース培養を行ってから20時間以降に分解が顕著に誘導されることが判明した。またインスリン分解がクリノファジーで起こることを確認するため、電子顕微鏡による観察を行った。その結果、やはり20時間後に顕著なファゴソーム形態の増加が見られた。これらの結果から、膵β細胞株MIN6を低グルコース培養することで、クリノファジーによるインスリン分解が誘導されることが判明した。神経細胞でも同様の解析を進めたが、残念なことに、神経細胞ではオートファジー活性が恒常的に高く、ファゴソーム形態の判別ができなかった。しかし、この恒常的なオートファジーが神経細胞の酸化ストレスに対する脆弱性に関わることを発見し、これを報告した。
|
Research Products
(4 results)