2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21657047
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鳥居 征司 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (40312904)
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Keywords | インスリン / 分泌顆粒 / 開口放出 |
Research Abstract |
神経や内分泌細胞では、必要時に開口放出を引き起こすための分泌物質貯蔵器官として、神経伝達物質を含むシナプス小胞やペプチドホルモンなどを含む分泌顆粒が発達し、細胞内に充満している。これら分泌小胞の出芽、内容物(蛋白質)の選別、輸送、分泌部位へのドッキング、分泌刺激シグナルの認知、膜融合などは、膜上に局在する蛋白質により制御されると考えられる。申請者は、内分泌細胞の分泌顆粒膜に局在する蛋白質の機能解析から、分泌小胞の開口放出システムの一端を明らかにした。本研究では、神経内分泌細胞にみられる調節性分泌全体を理解するために、ホルモンの自己分解機構を解析する。 本年は昨年に引き続き、膵β細胞におけるインスリンの細胞内分解過程を詳しく調べた。パルス・チェイス実験やインスリン含量測定、電子顕微鏡による観察などを行った結果、低グルコース培養を行ってから20時間以降にクリノファジーによるインスリン分解が誘導されることが判明した。一方、数種類の低分子プローブを使ったマルチ・ラベリング・タグにより、インスリンの分解および分泌を解析したところ、新しく合成されたインスリンが優先的に分泌されていることが明らかとなり、現在、この知見を論文としてまとめている。
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